おはようございます。芦谷社労士事務所の芦谷義一です。
12日にサプライチェーン補助金の2次公募が開始されました。1次公募は応募者が多数になったため、採択発表が大幅に伸びてしまったという点を反省して応募者を絞る方向へと改正となりました。
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2次公募の概要
補助上限額は100億円(1次150億円)に変更となりました。また補助率についても段階的に引き下げることで、全体の採択率を上げようとする意図が読み取れます。
下記はサプライチェーン補助金概要説明資料から抜粋した図です。
中小企業が上限枠いっぱいを使うには280億円の投資が必要になるというわけです。
書式なども変更はありましたが、記載すべき内容自体は1次公募時と大きく差は無いという印象です。ただ、50%以上の海外集中度を示す根拠資料が求められているため、1次公募に比べて客観的なデータに重きが置かれるのではと推測されます。
中小企業特例とは
中小企業に限定した枠が新設されました。やはり、大企業と同じ土俵で戦うには不利だからです。
上限額は5億円、補助率は2/3と低めですが、工場の新設などを考えると十分な規模かと考えられます。
ただ、応募にあたっては下記の表に該当する主要部品を製造することが求められています。
公募要領にも「必要不可欠な(=代替が効かない)製品・部素材」と明記されていることから、この部分が審査において大きく影響すると考えられます。また、同時に「生産を行っていること」とも明記されており、既存事業に対して行う補助事業という位置づけです。
事業再構築補助金との比較
サプライチェーン補助金 | 事業再構築補助金
(通常枠) |
|
補助金額 | 上限5億円 | 上限6,000万円 |
補助率 | 2/3 | 2/3 |
採択率(予想) | 20~30% | 30%台 |
対象事業 | 既存事業
かつ 事業の要件あり |
新事業 |
既存事業との関わり
|
必須 | 現段階では不明ですが、ターゲットを変えるなどの必要がありそうです。 |
補助事業期間 | 令和5年度末まで | 採択後1年後程 |
事業再構築補助金は初回応募は採択率が高いという情報が出ていますが、逆に出すぎて応募者が殺到すると考えています。そのため採択率は30%台になるのではと考えています。
補助金額においても差がありますが、意外に見過ごせないのが補助事業期間です。事業再構築補助金は採択後1年程度の猶予しかありません(現段階では応募概要からの情報を抜粋しています)。ただ、昨年のサプライチェーン補助金や小規模事業者持続化補助金などで見られた混乱が事業再構築補助金にも起こるのではと考えています。
そうなると交付決定にも遅れが生じ、建て替えや工場建設が間に合わなくなる可能性があります。
大規模な投資をお考えの場合は事業再構築補助金の初回申請は避けるか、サプライチェーン補助金にチャレンジするかを考えた方が無難でしょう。
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