ものづくり補助金(低感染リスク型ビジネス枠)の新設とどういった記載が求められているのか分析

芦谷社労士事務所の芦谷義一です。

 

ものづくり補助金で急遽、「低感染リスク型ビジネス枠」が新設されました。

 

https://portal.monodukuri-hojo.jp/about.html

 

急遽ということもあり、申請できる企業が少ない=採択率も高いのではないかと考えられます。

 

ルールの概要は次の通りです。

・補助率は一律2/3

・前回までの特別枠で採用されていた、「まずは特別枠で審査、落ちたら一般枠で審査」という2段階での審査

・宣伝広告費も対象(補助総額の1/3まで対象)

 

一般枠の上積みみたいな位置づけですので、できる限り利用したほうが良いです。

ただし、下記について言及する必要があります。

 

①物理的な対人接触を減じることに資する革新的な製品・サービスの開発

②物理的な対人接触を減じる製品・システムを導入した生産プロセス・サービス提供方法の改善

③ウィズコロナ、ポストコロナに対応したビジネスモデルへの抜本的な転換に係る設備・システム投資

 

想定ではありますが、どういったことを記載すべきか検討していきます。

 

先に「②物理的な対人接触を減じる製品・システムを導入した生産プロセス・サービス提供方法の改善」から検討させて下さい。

 

というのも、こちらは「導入した」という文言がハッキリと記載されています。となると補助金を使って導入する設備そのものが「対人接触を減じる設備」であることが求められると推測されます。

となると、システム、ドローン、CAD/CAMなどは対象になりやすいかと考えられます。一般的な工作機械はこの部分は厳しいのではないでしょうか。

 

次に「①物理的な対人接触を減じることに資する革新的な製品・サービスの開発」について検討します。

 

公募要領では「オンラインビジネスへの転換、AI・IoT等の技術を活用した遠隔操作や自動制御等の機能を有する製品開発(部品開発を含む)」などが例示されています。

 

こちらは「対顧客」で「対人接触を減じる」ということを想定していると推測しています。

顧客とのやりとり、顧客への納品物などが「対人接触を減じる」ことにつながることが求められているのではないかと考えられます。また、「部品開発を含む」となっていますので、こちらは②に比べると広く対象になりやすいと考えられます。

 

最後に「③ウィズコロナ、ポストコロナに対応したビジネスモデルへの抜本的な転換に係る設備・システム投資」についてです。

 

対人接触うんぬんは記載する必要が無い代わりに、「ビジネスモデルの抜本的な転換」が求められています。正直、事業再構築補助金とかぶっている印象を受けますね・・

 

経産省「事業再構築補助金に関するよくあるお問合せ」に「Q10.ものづくり補助金などの他の補助事業との併用は可能か。A.原則として、同一の事業や機械装置等に対して、複数の国の補助金を受給することはできません。ただし、他の国の補助事業とは別の事業を行う場合は、補助対象となり得ます。」というQ&Aが載っています。

 

https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/qa.html

 

 

おそらくこの部分を意識した記載ではないでしょうか。ビジネスモデルの転換を行うために、事業再構築補助金で建物の改良、改修、ものづくり補助金で設備投資という使い方をイメージしているのではないでしょうか。(現段階でこういった事業再構築補助金で建物、ものづくり補助金で機械という使い方が可能かは未定です。)

 

そのため、③は業態転換や新業種への参入などを想定しているのではないかと推測されます。

 

2段階の審査であるため、上記①~③にあてはまるなら「低感染リスク型ビジネス枠」を利用された方が良いでしょう。

 

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